マルチタスクではなく、シングルタスク。ダーラナ(集中)とは

マルチタスクを行うことが多い現代人。運転しながらラジオを聞いたり、料理しながら携帯で動画をみたり・・・情報で溢れている現代は無意識に脳が忙しく働き、疲労しやすい環境になっています。

ヨーガをしている時に他のことを考えてしまう、これはある意味ヨーガではありません。ストレッチであり、筋トレです。ヨーガではダーラナ(集中)といって心を一点に焦点をあて、邪念・雑念を取り除くことを説いています。

とはいえ、かくいう私もマルチタスクしまくりです。子供とおもちゃで遊びながらヨガのポーズを練習したり、ヨーガの練習しながら、爆音でジャスティンビーバーのライブをテレビで観たりする日もあります。昔はシングルタスクでヨーガしないと、ヨーガじゃない!と意気込んでストイックに練習していましたが、ヨーガは一生かけて行う長い道のり。静かにヨーガを練習する日もあれば、他のことをしながらヨーガをする日もあったりと、随分肩の力を抜いてヨーガと向き合えるようになってきました。

レッスン中も「こうやって椅子を使って、女神のポーズ練習しながらテレビみれますよ~!テレビみながらヨガしましょ!」なんて生徒さんにもよく言います。まずはヨーガをすることを習慣づけてほしい、気軽に一日10分でもヨーガをしてほしいという気持ちから皆さんにそう言っています。

家にいると集中力散漫、思考があちこちに行ってしまいます。これは思考の癖です。身体に癖があるように、私達の思考にも癖があります。だからこそ教室に来て、ヨーガをする意義があります。教室でヨーガを練習するときの集中力は格別です。仕事をする時に自分の部屋よりもカフェなどの方がはかどると感じる人は多いと思いますが、それは生活に関わるものが身の回りにないことで、仕事という一点に集中できるからです。忙しい手を止めて、教室で75分間、自分のためだけにヨーガをする。とても贅沢な時間であり、心のリセットのために必要な時間だと思います。

ヨーガは心のお片付けです。散らかっている部屋では仕事がはかどらないように、集中力散漫、思考があちこちに飛んでしまう状態では、いま目の前にある小さな幸せや発見にも気づきにくくなります。

人は、「いまこの瞬間」に意識を向けられるほどに幸福感を感じやすくなります。ヨーガのポーズ・呼吸・瞑想を通して、楽しみながら「いま」に集中できる心を育んでいきましょう。

上部へスクロール