日中は暖かく、とても過ごしやすい春がやってきました。
ただこの過ごしやすい季節は一瞬で終わってしまいますね。まさに平家物語の序文「春の夜の夢のごとし」です。
先日、来てくださった生徒さんが「半年間、ずっと体調が悪い。でも検査してもどこも悪くないと医者に言われてしまう」と仰られていました。私も24、5歳のとき、同じような経験があります。仕事のしすぎだったのでしょう、半年間くらいずっと腸が痛く、整腸剤を服用する日々。せっかくの週末も腸が痛いので、結局どっか遊びに行く気力もなく、自宅でのんびりしないといけない状況が半年も続きました。半年後、意を決して腸カメラの検査をしました。結果、「どこも悪いところないね。ストレスだよ」と言われた時、拍子抜けしたものです。自分は強い、仕事も大好きと思っていたので、意外と繊細な自分に驚いたものです。早く出世したいという気持ちが強すぎたので、身体を労わるという意識改革が必要でした。この頃から立ち止まることを良しとするヨーガにさらに夢中になりました。
この生徒さんには私の経験をお話しつつ「その痛みもずっと続くもんじゃないよ。いつか良くなるから、一つ一つできることをやってみてくださいね」と申し上げました。自分の身体の不調も諸行無常だと思います。どんなに悪い状況もずっとその悪い状況がピークではなく、ちょっと良くなったり、悪くなったり、そしていつか全快したりするものです。
瞑想でもこの無常のテクニックを使うことがあります。瞑想で長いこと座っていると、脚が痺れたり、無償に顔をかきたくなったりすることがあります。そんな時は「いつまで痒いって思うんやろ」とちょっと客観的にみてみる、これも瞑想のテクニックの一つです。すると意外と5分ほどしたら、痒みが引いてしまったりします。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。」
今週末、4月27日(日)はいつも通りお稽古がございますが、5月4日(日)は休講です。GWを使って、福岡、そして祇園がある京都を旅してきます。
ご都合が合えば、ぜひ今週末お稽古しにいらしてくださいね。